「Backlog」をはじめ、プロジェクト管理ツールはシステム開発でよく使われる印象がありますが、あらゆる業務において、特に状態や工程が多いものに抜群の効率化効果を発揮します。例えば、営業の商談管理、CS(カスタマーサポート)の問合せ管理、さらには総務・労務業務、契約書手続きまで幅広く活用できます。スプレッドシートで煩雑に管理している業務を、Backlogに移行するだけで驚くほどスムーズになるんです。
システム開発だけじゃない!どの業務にも役立つプロジェクト管理ツール
「Backlog」はプロジェクト管理ツールとして、特にシステム開発の現場で人気ですが、実はどの業務にも幅広く使えるのをご存じですか?たとえば営業部門の商談管理、カスタマーサポート(CS)部門の問合せ管理、さらには総務や労務の手続きなど、状態や工程が発生するすべての業務に適用可能です。
考えてみてください。状態や工程のない業務は、ほとんど存在しません。何かしらのプロセスを経て進行する業務が多いですよね。Backlogを使えば、これらのプロセスを「見える化」でき、業務の効率化を一気に加速させることができます。
特に、現在スプレッドシートで管理しているような業務なら、Backlogに移行する価値は大いにあります。営業の進捗管理やCSの問合せ対応に限らず、組織全体の業務の流れをスムーズにすることが可能です。
新規獲得など商談管理の例
営業部門での商談管理、苦労している方も多いのではないでしょうか?顧客との接触状況や商談の進捗を管理する際、スプレッドシートでは情報が煩雑になりがち。しかし、Backlogを活用することで、状態ごとにプロセスを整理し、さらには計数管理までスムーズに行うことが可能です。
商談管理の状態設定
まず、商談の進捗を把握するために、Backlogで以下の状態をカスタマイズします。
カスタム状態例
- 未対応(デフォルト状態):新規リードが入ったばかりの状態。
- 資料請求完了済み:顧客からの資料請求が完了した段階。
- 初回コンタクト待ち:初回のアプローチを待っている状態。
- 初回コンタクト終了:初回の連絡が完了し、次のアクションを考えている状態。
- 提案準備中:提案内容を準備中の段階。
- 提案中:提案を送付し、顧客のフィードバックを待っている状態。
- 条件交渉中:価格や契約条件を調整している段階。
- 成約:商談が成功して成約に至った状態。
- 未成立:商談が成立しなかった状態。
この状態設定により、商談のどのフェーズにいるのかがすぐに分かり、営業活動が整理されます。
後述しますが、ボード機能では各状態の説明を設定すれば表示することができます。
計数管理の工夫
商談目標を達成するには、単に状態を管理するだけでなく、数値目標のトラッキングも重要です。ここで役立つのが、Backlogの「マイルストーン」機能です。
マイルストーンの活用
特定の週をマイルストーンとして設定することで、各商談の進捗を週ごとに分けて確認することが可能です。
例えば、マイルストーン「2024年11月第1週」をその週に達成すべき商談チケットに紐づけします。
ボード機能とフィルタリングの活用
Backlogのボード機能を使えば、商談の進捗を視覚的に確認できます。ボードでは、「種別」「カテゴリー」「マイルストーン」「担当者」でチケットをフィルタリング可能です。たとえば、マイルストーンを「今週の目標」に設定しておけば、その週の商談進捗を簡単にチェックできます。
マイルストーン「2024年11月第1週」でフィルタリングし、各状態にあるチケット数を確認。これにより、今週の目標が達成できているかどうかを即座に把握できます。
ボードの状態の定義を忘れないために、各状態に説明を追加することができます。
分析は表計算ソフトで
カンタンな件数の把握はBacklog上でもできますが、実績の集計や予実分析などは得意分野であるExcelやスプレッドシートの任せましょう。Backlogの課題一覧からCSVが出力できるため、取り込んでピボットすれば大体ほしい情報が取得できます。
カスタマーサポートによる問合せ管理の例
カスタマーサポート部門の問合せ管理も、Backlogを使うことで効率的に整理できます。CSチームは通常、顧客からの問合せに迅速かつ的確に対応する必要がありますが、状態や進捗が整理されていないと、二重対応や対応漏れが発生しやすいものです。ここでBacklogの「状態カスタマイズ」と「マイルストーン」を活用すると、より正確に管理できます。
問合せ管理サービス「Zendesk」などwebサイトからの問合せとセットで管理しているのであれば、そっちをそのまま使うで良いですね。
状態設定
問合せの進捗を管理するため、次のような状態を設定してみましょう。
カスタム状態例:
- 未対応(デフォルト状態):新規問合せが入ったばかりの状態。
- 対応中:担当者が問合せに対応している状態。
- 追加情報待ち:顧客からの追加情報が必要な状態。
- 回答済み:回答を送ったが、まだ顧客の確認待ちの状態。
- 解決済み:顧客が回答を確認し、問題が解決した状態。
- フォローアップ中:解決後、顧客が問題なく対応できているか確認中の状態。
- 完了:フォローアップも含めてすべての対応が終了した状態。
計数管理の工夫
問合せの数をトラッキングして、CSチームのパフォーマンスを数値で管理することも重要です。ここでは、商談管理と同じく、Backlogの「マイルストーン」を活用します。
プロジェクト管理ツールで業務管理をもっとスマートに
Backlogは、システム開発だけでなく、営業やカスタマーサポートといったさまざまな業務に応用できる便利なツールです。状態のカスタマイズとマイルストーン機能を活用することで、業務の進捗が明確に見えるようになり、チーム全体の生産性が向上します。
商談管理のポイント
営業部門では、状態を細かく設定することで商談の進捗を効率的に管理できます。初回コンタクトや提案、成約といったフェーズごとにチケットを管理することで、どの案件が今どの段階にあるのかがすぐにわかります。また、マイルストーンを利用することで、週次や月次の目標を数値でトラッキングすることも可能です。
問合せ管理のポイント
カスタマーサポート部門では、問合せの状態を整理することで、対応の漏れや遅れを防ぎます。特に「未対応」「対応中」「解決済み」といった状態に加え、「フォローアップ中」から「完了」までの流れをスムーズに管理できるようにすると、顧客満足度が高まります。さらに、マイルストーンで件数の目標を設定すれば、チーム全体のパフォーマンスを向上させることができます。