「これ、誰にお願いしたんだっけ?」
頭の中で何度も繰り返されるこのセリフ。
頼んだ気がするけど記録がない、チャットにも見当たらない…。
結局、「誰もやってないなら自分がやるか」となってしまう。
──そんな“地獄のループ”、そろそろ抜けませんか?
この記事では、タスクを“人”に頼るのではなく、「誰に」「何を」「いつまでに」を記録して共有するだけという、シンプルなタスクの仕組み化について紹介します。
紙でもメモでもSlackでも、道具はなんでもOK。
大事なのは、“忘れてもいい仕組み”を作ること。
ちょっとした工夫で、「頼んだ/聞いてない問題」は一生起こらなくなります。
結論: 記録して、共有する
「誰に」「何を」「いつまでに」を記録して共有するだけ
もうこれだけです。これだけなのにできない人が多いのです。でも、本当にこれだけでこの問題解決、以上という内容です。
「あれ誰に頼んだ?」が起きる理由

そもそも、なんでこんなに“タスク行方不明事件”が多発するのか。
犯人はわりとシンプルです。
まず多いのが、「口頭でサラッとお願い」パターン。
「ちょっとこれお願いできる?」ってランチのついでに言ったやつ、
午後にはもう頼んだ本人も忘れてるし、言われた方も「え?それ本気だったの?」状態。
次に、「チャットで軽く流す」パターン。
SlackやTeamsでサラッと流して、
通知見逃されて終わり。未読スルーの海に沈んで二度と浮かんでこない。
タスクが“特定の、お願いしやすい人に依存している“のも問題。
「きっと誰かが自主的にやってくれるはず」という、暗黙的に属人化が起きてしまう。
表には見えないし、チームで共有されてないから、その人が休んだり、記憶から消えた瞬間にそのタスクは止まります。
お願いしやすい人に頼むではなく、“仕組みで依頼”に切り替える
やることはこれだけ。
「誰に」「何を」「いつまでに」を、メモでもいいから記録して、共有する。以上。(3回目)
たとえば、会社の壁にホワイトボードがあって、そこに以下のようなToDo付箋があるとしましょう。
- ●●さんへ
- 書類のレビュー
- 今週金曜まで
これで「●●さんも確認済み」あれば、立派な“仕組み”です。
チャットツールなら、Slackでメンション+期限を書いたメッセージを投げて、必要なら他のメンバーにもCc。
BacklogやTrelloなら、タスクにアサインして、期限を入れて、ステータス更新して、担当者に通知。
「あとから見て、誰が何を抱えてるか分かる」ようになっていればいいだけ。
でも実際、これがなかなかできないのには理由があります。
「誰に」「いつまでに」を決めるのが心理的に苦しい → 思い込みです。
多くの人がつまずくのは、「誰に」「いつまでに」を決めるところ。
- この人、忙しそうだしなぁ
- 今ここで依頼していいのかな…
- 頼んだら断られるかも
そんなふうに考えて、結局“その場にいた、頼みやすい人”にお願いして、あとで「あっ、やっぱあの人じゃなかった…」ってなったりする。
それに、依頼を明文化して確認することにも、なぜかちょっと罪悪感が湧くんですよね。
「わざわざそんな時間取らせるのも悪いかな…」とか、
「いちいち書き起こすのって、面倒って思われないかな…」とか。
でも、ここ声を大にして言いたい。
“数分で終わる明確なやりとり”は、全然迷惑じゃない!
むしろ、頼まれる側からすると、 「内容をちゃんと共有してくれてありがとう」だし、「何をどう進めればいいか分かるからラク」です。
ふわっと頼まれて、あとで「いや、そうじゃない」って言われるほうが、全員めちゃくちゃ疲弊しますからね。
だから、“気まずさを乗り越えるためのミニ仕組み”が効くわけです。
メモでも、タスクでも、見える場所に「誰に・何を・いつまでに」がある。
それだけで、仕事はぐっと前に進みます。
ここでちょっと深掘りしたいのが、「いつまでに」が決められない問題。
意外ですが、依頼する側もアウトプットの使い道をあまり想定できていないことが多いためです。
「この成果物をいつまでに必要とするのか」「何のために必要なのか」まで考えが及んでいない。
だから締切が決まらず、「とりあえずやっておいて…」になり、結果、思い通りに進まない。
少なくとも、依頼する側は、アウトプットのイメージは依頼される人に伝えるようにします。依頼する側がアウトプットイメージを伝えてこない場合は、依頼される側が依頼する側にかならず聞いてください。特に次の2段階でアウトプットを認識合わせする方法で進めれば、お互いに不幸になる確率は劇的に下がります。
アウトプットは2段階で作り上げる

おすすめなのが、“2段階デッドライン”の発想。
例えば以下のように、成果物を2段階で設定します。
- 1段階目:「○日までにテキストのアウトラインだけ欲しい」
- 2段階目:「最終提出は、○日のプレゼンの2営業日前までに完成版スライド」
こうすると、依頼する側も依頼される側も成果物の方向性にズレがあった場合、早い段階で軌道修正ができます。また、依頼される側も「いきなり完成じゃなくていいんだ」と安心して取りかかれます。
曖昧なままお願いすると、依頼される側はモヤモヤのまま時間だけが過ぎていく。
でも「まずここまで出して」と段階を切るだけで、驚くほどタスクが動き出します。
記憶じゃなく、記録で仕事する
ここまでくると、もうあのセリフとはお別れです。
「頼んだっけ…?」「言ったはずなんだけど…」「あれ、進んでる…?」
そう、全部「記憶」で仕事してたときのセリフなんですよね。
“仕組み”でタスクを動かすようになると、これが一気に変わります。
- 「誰に頼んだか」は、見れば分かる
- 「頼まれたタスク」は、通知で来てる
- 「今どこまで進んでるか」も、ステータスで見える
「記憶に頼らなくていい、依頼した内容は忘れていい」っていう最強の安心感が手に入るんです。
しかも、ログがちゃんと残ってるから、
「えっ、聞いてないんですけど…」って言われても、
「この日、この時間に、こう言ってお願いしてますね〜」って冷静に振り返れる。
もちろん、相手を責めるんじゃなくて、
「確認できる状態があること」自体が、お互いのためになるってことです。
それに何より、自分の“タスク伝えたのに通じてない不安”とか、“頼んだっけ? 進んでる? 覚えてない…”みたいな不安が、スッ…と消えるのは、本当に大きい。この見えないコストはチリツモです。どこにも計上されないから、一つのタスクだけでなく、いくつも見えないコストがあると、最終的に爆発してしまった人もいるでしょう。
タスクの全体像を、頭じゃなく“外に出して”管理するだけで、仕事って、想像以上にラクになります。
依頼の意図をひとこと添えるだけで相手は安心する

ちなみに、「記録して共有する」って行為を、少し気まずく感じてしまう方。
ちょっとした“言葉のひと工夫”だけで、すごく伝わりやすくなります。
依頼を楽にする一言
- 「すみません、念のためですが、お互いに認識を揃えておきたいので、記録を残して共有しますね」
- 「自分の伝え方に抜けがあるかもしれないので、メモをお送りします。一度ご確認ください」
- 「大事な依頼なので、自分のためにも整理しておきたくて。合ってるか見ていただけると助かります!」
こんなふうに、“相手を信頼している前提”+“自分都合の整理であること”を伝えると、
受け取る側も「気をつかってくれてるな」と感じてくれます。
記録や共有は、あくまで相手を困らせないための気配りでもあるんです。
ここで重要なのは、「どんなツールを使うか」よりも、“記録して共有する”というプロセスそのものが本質だということ。
紙でもいい、ホワイトボードでもいい、メモ書きでもいい。
とにかく、「誰に」「何を」「いつまでに」が見える形で残っていれば、それだけでこの問題はかなり防げます。
もちろん、デジタルツールは便利です。
SlackやBacklogのようにリマインド設定ができたり、通知で漏れを防げたり、履歴検索が簡単だったり、“忘れていい仕組み”が作れるという点ではとても強い。いや、もう強すぎる。思い出すきっかけはデジタルツールがやってくれますからね。
でも、それが使えない環境でも、「このひと手間(記録と共有)をやるかどうか」で、後々のトラブルや二度手間は防げる。たとえメモでも、「これ、あなたにお願いしたいことで、●日までに必要なんです。これで合ってるか一緒に確認してもらえますか?」って言えるかどうか。
そのやり取りがあるだけで、仕事はぐっとスムーズになるし、自分も人も、余計なストレスから解放されます。
まとめ:「タスクを頼んだかどうか」は仕組みで解決できる
「お願いしたつもりだったんだけど…」
「聞いてないよ、それ…」
「え、誰かやってくれてると思ってた…」
こんな会話、できれば一生したくないですよね。でもこれって、人の善意や記憶に頼ってる限り、いつまでもついて回る“職場あるある”です。
人に任せるんじゃなく、仕組みに任せる。
それも、何かすごいシステムを導入するって話じゃない。
やるのはたったこれだけ。
「誰に」「何を」「いつまでに」を記録して、共有する。(大事なので何回も伝えております)
それだけで、ほとんどの“頼んだ/頼まれてない問題”は消えていきます。
- メモでもいい
- チャットでもいい
- タスク管理ツールでももちろんOK
曖昧なコミュニケーションが、地味〜に一番人を疲れさせる。
バイネームで、期限付きで、目に見える形で流れていくタスクなら、そもそも「確認」がいらなくなる。思い出す必要すらない。
というわけで、「あれ、誰に頼んだっけ?」の地獄ループにハマっている方は、
明日からほんの少し、記録して共有する“ひと手間”を入れてみてください。
その小さな習慣が、あなたの“脳内タスク地獄”を救ってくれる、はず!